収穫の模様。左上の青いネットは、シカやイノシシ除けに張られたもの。
湯がき上がったぜんまいは、水が切れるまで天日干しします。
その後、揉み込み機を使ってぜんまいを揉み込みます。ドラムの上からぜんまいを入れて、上から圧をかけながら抵抗(放射状に付けられた金属の板)の付いた円盤をぐるぐる回します。揉み込み機の導入によって、生産性が飛躍的に向上しました。
揉み込みの終わったぜんまい。この後、数日間天日で乾燥させます。
干し上がったぜんまい。1本ずつ、丁寧に「極太」「太」「並」「細」「不良」に選別していきます。
商品正面の写真。使い勝手が良いように、ジッパー付の袋に入れてあります。
袋から取り出した状態のぜんまい。極太のぜんまいは、歯ごたえがありながら柔らかく、噛めば旨味が口中に広がります。煮物や油炒めといった定番料理に加え、おひたしや汁物の具、天ぷらにしても美味しくいただけます。
山城町ぜんまい生産組合
山城町ぜんまい生産組合は、穀物や野菜の畑にはできないような山腹の急傾斜地を切り開き、ぜんまい畑として活用しています。傾斜があまりにも急な畑には、モノレールが設置され、収穫したぜんまいの運搬に使われています。
ぜんまいの畑作は、大正時代に始まったと言われており、最盛期には数十軒が栽培し、山城町の主要産業とまで言われていましたが、過疎化と高齢化によって、現在その数は激減しています。
山城町ぜんまい生産組合のぜんまい
管理された畑で採れるぜんまいは、天然のぜんまいより太く柔らかいのが特徴です。調理しやすく品質が安定していることから、主に業務用として関西はもとより、中部や九州まで出荷されています。
山間部の過疎化が進む中、山の手入れが行き届かなくなってしまったため、近年は、岐阜県や長野県といったかつての産地からも注文が入っており、国産の貴重なぜんまいとして国産ぜんまいの約半数を賄っています。
収穫
3月下旬から4月上旬がぜんまいの収穫時期です。山の斜面を這うようにして、1本々々を丁寧に刈り取っていきます。
選別と茹で
収穫したぜんまいは、不可食部を切り捨てた後、その日のうちに大釜で湯がきます。湯がきが足りないとその後でいくら揉んでも柔らかいぜんまいに仕上がりませんが、湯がきすぎると歯ごたえも旨味もないぜんまいになってしまいます。
水切りと揉み
湯がいたぜんまいは、良く水を切って冷やした後、機械を使って揉み込みます。揉み込みが足りないと筋張って硬いぜんまいになってしまいますが、揉みすぎるとちぎれたり破れて商品価値がなくなってしまいます。
かつては、むしろに広げて手で揉んでいましたが、今では機械を使って揉み込んでいます。
乾燥と選別、そして出荷
しっかりと揉まれたぜんまいは、天日で数日間乾燥し、硬い部分や傷んだ部分を取り除いて選別にかけます。
選別の基準は太さで、「極太」「太」「並」「細」の4種類に分けられ、出荷されます。年にもよりますが、「極太」と「細」には1.5倍以上の価格差があります。
Tierra Madre
Tierra Madre(ティエラ・マドレ)は、スペイン語で「母なる大地」を意味します。Tierra Madreは、標高500mを超える山腹で、雑穀や山菜、ハーブ、薬草等を栽培するとともに、収穫した山菜やハーブ、薬草等の加工も行っています。
また、Tierra Madreでは、地元で一所懸命に美味しい農林水産物や民芸品等を作っていらっしゃる方々の商品にもスポット・ライトを当て、逸品としてご紹介させていただいています。山城町ぜんまい生産組合のぜんまいも地域の逸品であり、市場にはあまり出回らない貴重な山菜です。