はこワナと民宿うり坊店主の木下さん。はこの中とその周辺にサツマイモや米ぬかを餌として仕掛け、餌を食べようとしてはこの中に張ってあるワイヤーに触れると、入り口のふたが閉まります。
くくりワナ。筒を地中に埋め、全体を枯れ葉等で覆い隠します。筒の中に足が入るとワイヤーが締まり、逃げられなくなります。
民宿うり坊内にある食肉処理施設。保健所の許可を得、徳島県の認定を受けた処理加工施設(PDF)です。手前左の洗浄区域で吊した猪や鹿のとたい(放血した個体)を洗浄します。
民宿うり坊内にある食肉処理施設内の解体室。この部屋で、洗浄したとたいを天井から吊るし、頭部・前肢と後肢の先端部・尾の切除、皮はぎ、内蔵摘出、乳房又は睾丸の除去を行い枝肉に加工します。
民宿うり坊内にある食肉処理施設内の食肉処理室。この部屋で、枝肉の脱骨・分割・細切・トリミング(獣毛等を削り取ること)等を行い、ブロック肉に加工します。また、凍ったブロック肉をスライサーで加工するのもこの部屋です。
もも肉のかたまり。これから適当な大きさのブロック肉に精肉し、真空パックで包装した後にマイナス15℃で冷凍します。
肉質
捕獲地である阿讃山脈は、広葉樹が多いため、猪の主食である木の実やきのこ、昆虫等の豊富な森が広がっています。そのため、猪肉は、肉質がやわらかいうえに冬季には甘みの強い脂肪の多いのが特徴です。
モモ肉は、赤身が多く脂肪分の少ないのが特徴で、脂肪は苦手という方におすすめの部位です。
解体・精肉
商品は、徳島県が策定した「阿波地美栄処理衛生管理ガイドライン(PDF)」に従って、徳島県西部の阿讃山脈においてワナで捕獲した猪を、民宿うり坊内の保健所の許可を得、徳島県の認定を受けた処理加工施設(PDF)で解体・精肉しています。民宿うり坊では、猪の止め刺し(とどめを刺すこと)後、1時間以内に放血(血抜き)し、その後1時間以内に内蔵を取り除きます。野生鳥獣の解体・精肉において、可能な限り速やかに放血と内臓の摘出をすることはとても重要なポイントで、精肉にけもの臭がつくのを防ぎ、鮮度を保持することにつながります。
内臓を取り除いた後は、その日のうちに皮を剝ぎ部位ごとに解体していきます。猪の場合、皮をはいでブロック肉にするまでに、50kg前後の小さな個体で約3時間、100kgを超える大きな個体にもなると5時間を要するときもあります。ブロックに解体されたお肉は、真空パックで包装したうえで、マイナス15℃以下で冷凍保存しています。
お客様には、ご注文をいただいた後に、凍ったままのブロック肉をスライスし、再び真空パックで包装したうえで、マイナス15℃以下の冷凍便にてお届けします。
保存方法
加工後、マイナス15度以下で保存したものをご家庭までお届けいたします。そのまま冷凍庫で保管していただければ、比較的長期の保存も可能です。なお、賞味期限につきましては、パッケージに貼りつけた品質表示で必ずご確認ください。
お肉は、一度解凍してしまうと肉汁が溶け出してしまいます。再冷凍は避け、なるべくお早めにお召し上がりください。
民宿うり坊
民宿うり坊は、木下正雄さんが平成26年に開業した農家民宿です。木下家は、徳島県三好郡東みよし町東山という阿讃山脈の山懐に抱かれ、300年以上にわたって農業と林業に携わってこられたお家です。
現当主である木下正雄さんは、お若いころは都市部でサラリーマン勤めをしていらっしゃいましたが、前当主であるお父さまが亡くなられたのをきっかけに東山に帰ってこられました。過疎化と高齢化による山や畑の荒廃を目にし、なんとかこの集落を次世代に引き継ぎたいとの思いから、集落ぐるみで山のくらしを守るための取り組みを行っていらっしゃいます。
そのような取り組みの中、20年近く前に、野生鳥獣による食害等が目立つようになったことから、木下さんは、狩猟免許を取得し有害鳥獣の駆除を始められました。調理師免許を持たれている奥様の工夫もあり、木下さんのふるまうジビエ料理は、たちまち知る人ぞ知るところとなりました。
木下さんは、平成26年1月に民宿うり坊を開業されるにあたり、食肉解体業と食肉販売業の免許も取得され、現在は、民宿にお泊りになられたお客様を中心に、木下さんが捕獲し解体した猪と鹿の精肉を提供していらっしゃいます。
民宿うり坊は、標高250mの緩傾斜地に立地しており、農作業やそば・うどん打ち、こんにゃくづくり等のほかに、春の山菜取り、秋のきのこ狩り、冬のワナ猟の見回り等の体験が可能な農家民宿で、徳島県からとくしま農林漁家民宿の認定を受けています。平成26年10月には「そらのそば協力店」に、平成27年2月には「うまいよ!ジビエ料理店」に、徳島県から認定されています。